花山水清
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essay  ·  2019/02/13

親鸞の「他力」と日本人気質


 私は日本人気質と呼ばれるメンタリティは、親鸞によって作られたと思っている。

釈迦入滅後2500年以上をかけて、仏教はさまざまな形に変化しながら世界に広がっていった。その究極の姿が、浄土真宗の宗祖である親鸞(1173-1263)の教えではないかと思うのだ。

 親鸞の教えとはなにか。
師である法然は、「南無阿弥陀仏」と唱えれば阿弥陀様に救ってもらえると説いた。これに対し弟子の親鸞はさらに、仏教にあるべき修行や戒律までも取り払い、ただ「ナムアミダブツ」と唱えるだけで救われるという、念仏一途の道を説いた。

後にも先にも、これほど見事な他力信仰は存在しない。
この圧倒的な他力信仰の上に、われわれ日本人の思考は形成されているのである。

 かつてキリスト教は、帝国主義と手に手を取って世界中を席巻した。多くの国々、多くの民族がキリストの名のもとに跪き、キリスト教は地の果てまで広がった。

一方、日本では、国中でクリスマスを祝い、教会で結婚式を挙げているというのに、実際にクリスチャンになる人などほとんどいない。諸手を挙げて歓迎しているようでいて、受け入れているのは上辺だけ。日本がキリスト教国になることなどありえない。

どんな宗教に傾倒しようが、根底にある「他力」のメンタリティが揺らぐことはない。逆に全ての宗教が、日本に入った途端に換骨奪胎し、日本の色に染められてしまうのだ。

 「他力信仰」とは、一切の疑問を持たず、思考停止を旨とする。脳科学に問うまでもなく、脳は楽をしたがるものだ。だから、思考停止の許容ほど楽な信仰はない。

今や親鸞の教えはさらに高度に進化して、念仏さえ不要になった。これが広まらないはずがない。見渡せば、いつの間にかこの「他力」の教えが世界を支配している。そう感じざるを得ないのである。

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