花山 水清
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エッセイ  ·  2019/01/21

渋沢敬三の予言


武蔵野美術大学には、民俗学者の宮本常一が教鞭をとっていた時期があった。美術大学であるから、ふしぎなことではある。他の大学からも引き合いはあったそうだが、宮本が師事していた渋沢敬三はうんとはいわなかった。そして、武蔵野美術大学からの誘いに対してだけ、「ここならいい」といってくれたのだという。

この渋沢敬三という人はかなりの傑物だったことで知られている。宮本の本にもたびたび登場しているが、当時、日銀の総裁だった渋沢が語った言葉は大変興味深い。

「日支事変は次第に泥沼へと足を突込んだようになっていって、その収拾をつけることのできる政治家も軍人もいないから、おそらく近いうちに世界大戦になるであろう。そうして日本は敗退するだろう。それまでの間に日本国内を歩いて一通り見ておくことが大切である。満州へゆくことも意義があろうが、満州は必ず捨てなければならなくなる日がくる。(中略)これから敗戦後に対してどう備えていくかを考えなければならない」(『民俗学の旅』宮本常一著)

渋沢がこう話したのは、なんと昭和15年の初めのことであった。これから起こる歴史の筋書きを、すでに見てきたかのような話ぶりである。眼の前にある「事実」を丹念に集めていけば、彼にとっては当然の結論だったのかもしれない。

私には今の日本が良い方向に向かっているとは思えないが、彼ならこれから世界がどうなっていくと見るのか、聞いてみたいものである。

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