花山 水清
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エッセイ  ·  2019/04/27

新一万円札の渋沢栄一は私の祖先である


 日本で最初に銀行を創ったことで知られる渋沢栄一が、新一万円札の顔に決まった。

選考の経緯は知らないが、彼の経歴をみれば、これまで登場しなかったのがおかしいほどだろう。

実は渋沢栄一は私の祖先に当たる人物なのである。

ただし、祖先といっても血の繋がりはない。

そしてここからの話が少々長くなる。


 渋沢栄一の孫が、日本の民俗学の基礎を築いた渋沢敬三である。

その敬三の一番弟子だったのが、歩く巨人とうたわれた宮本常一であった。

さらにこの宮本の愛弟子が、私の師である相沢韶男だ。


 相沢には萱野茂という友人がいた。

萱野茂といえば、二風谷アイヌ資料館を作り、アイヌ文化の保存に尽力したことで有名な人物である。

相沢は『萱野茂のアイヌ語辞典』の編纂や、アイヌ民具の実測などを通して、彼とは何かと交流があったのだ。

そんなある日、相沢と萱野の会話で、渋沢敬三の話が出た。

萱野は「オレは金田一京助先生を介して渋沢敬三の孫弟子に当たる」といって、暗に相沢より自分のほうが上だと自慢した。

それを聞いた相沢は、後で宮本常一にあったときに、「宮本先生は渋沢敬三の弟子ですよね。すると私は渋沢の孫弟子と名乗ってもイイわけですか?」とたずねてみたのである。

すると宮本は、腕を組んでしばらく間をおいてから、「ウン、イイ」と大きく頷いた。


 そんな話を、私は相沢先生と飲んでいるときに聞いた。

そこですかさず私も「つーことは先生、なんですか、相沢先生が渋沢の孫弟子ということは、私は渋沢のひ孫弟子ということでイイんですか」と聞き直してみたのである。

すると先生はおもむろに腕を組み、しばらく間をおいてから「ウン、イイッ」と大きく頷いてくれた。

というわけで、新一万円札の渋沢栄一は私の祖先に当たるといえるのだ。

だからといって、私のもとに多めに渋沢先生が集まってくるわけではないことはいうまでもない。

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