毎年、正月には映画を観ることにしている。今年は『奇蹟がくれた数式』というイギリスの映画を選んでみた。
これはインドのS.ラマヌジャンという天才数学者の実話である。彼の発見した数々の公式は、100年たった今でも科学に貢献し続けているというのだから、天才中の天才だ。
ゴータマ・ブッダを生んだインド。この偉大なる国には、天才を輩出するための文化が長い年月をかけて醸成されているのだろうか。
ラマヌジャンがヒンドゥーの神への信仰を貫いて生きる姿、彼がひらめきにいたる過程の説明にも心を打たれる。
また、彼がインドのマドラスから招聘されたケンブリッジ大学は、当時の世界の叡智の結晶ともいうべき場所である。
その姿が見事に再現されている。そこにはバートランド・ラッセルなども登場し、知をこよなく愛する人たちの世界がどのようなものであるかも、描かれていて興味深い。
久々に満足のいく映画であった。