民具実測図で人体を観る

 先日、大学の恩師である相沢韶男先生(民俗学)と5年振りにお会いした。師は大学退官後も頑張ってるゾとこの間に書かれたご著書をドサッと持参してこられた。

 相沢先生は故・宮本常一先生の愛弟子である。宮本先生の名前をご存知の方も多いと思う。当時は民俗学者だけでなく宮本先生に影響を受けた研究者は各ジャンルはに大勢いた。私もその一人である。

 相沢先生は当時、会津の大内宿の保存に尽力されていた。しかし、単に建て物だけを残すのではなく、宿場の生活様式ごと保存したのである。そのおかげで今では大内宿は年間100万人近くもの観光客が訪れて潤っている。


 また相沢先生は、民具実測図を初めて考案した人でもある。考古学の世界では考古資料の実測図の作成は以前から行われていた。ところが民俗学では先生が始められるまで作図による資料保存は行われていなかった。ところが今ではどこの民俗学博物館でも先生の考案された作図方法が取り入れられている。

 私は学生の頃、相沢先生に民具の作図方法を教わった。初めての作図では定規での直線の引き方も教えていただいた。定規で直線を引くなど簡単なように見える。だが、線の太さがどこをとっても均一になるように正確に引かなければならない。そのためにはステンシルの力の入れ方にコツがある。

 実はこの時の線を引く技術が、今は背骨の触り方に応用されている。直線を引く技術で、背骨の上に指先でスッと線を引くと、背骨がズレているかどうかがすぐにわかるのだ。

 昔、相沢先生に、実測図の技術を人体に応用していることを話したら、先生は中空の宮本先生に向かって「ジョーイッツァーン、実測図がこんな形になったゾー!」と伝えてくれた。

相沢先生は私が考案したモルフォセラピーについても、よき理解者であり協力者でもあるのだ。

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