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人体が半世紀でこんなに変わったのは体の内外の環境汚染のせい!

メールマガジン「月刊ハナヤマ通信」399号 2020/01 改訂2020/12

 

 令和元年も終わり、新しい年となった。

 

ところが60過ぎの私の時代感覚は、平成どころか未だに昭和のままである。

 

歴史区分では現代に近い時代のことを近代というので、昭和の間は明治から太平洋戦争までが近代だった。

 

だから少し前までの近代医学史には、戦後のことは載っていないのである。

 

だが平成が終わって令和になると、ずっと現代だと思っていた昭和は近代となり、遠い過去へと押しやられてしまった。

 

平成生まれの医師が中堅となりつつある今、医学の世界でも昭和のことなど忘れ去られようとしている。

 

そこで今回は、私のなかの昭和の記憶をたどることで、ここ半世紀ほどの間に、いかに私たちの体に異変が生じたかを確認しておきたいと思う。

 

 

 例えば、現代ではあまりにも一般化した疾患に腰痛がある。

 

昭和のころでも腰痛は珍しくはなかったが、当時の腰痛といえば、年寄りか新婚さんのものと相場が決まっていた。

 

そのため、若い者が「腰が痛い」などといおうものなら、周りから含み笑いが漏れたものだった。

 

それが今では、整形外科は老若男女を問わず腰痛患者だらけである。

 

腰痛持ちの小学生すら珍しくない。

 

若い医師などは、自分が生まれる前から今と同じように腰痛患者が多かったと思っている。

 

私が小学生のころは周りに腰痛の子供などいなかったのに、なぜこれほど急激に腰痛患者が増加し、低年齢化しているのだろうか。

 

 

 近ごろでは、腰痛患者の9割は精神的ストレスが原因だとまでいわれるようになった。

 

前回の当誌でも、相関関係と因果関係のちがいについて説明したが、「ストレスで腰痛になる」というのは、因果関係どころか相関関係も成り立たない。

 

「風が吹けば桶屋がもうかる」という話のほうがよほど説得力がある。

 

これが「ストレスで腰痛になる」ではなく、「腰痛がストレスになる」というのなら因果関係は成り立つ。

 

しかし、そもそも腰痛の原因はストレスではない。

 

ほとんどの腰痛は、背骨のズレによる知覚神経への機械的な刺激の結果なのである。

 

 

 他にも腰痛と同じように、昭和のころには年寄りのものだと考えられていた疾患にヒザ痛がある。

 

年寄りがなるものだから、だれもがヒザ痛は老化現象だとあきらめていた。

 

ところが思い返してみれば、昭和のころの葬式では、年寄りたちはみな座布団の上で正座していた。

 

今のように、ヒザが痛いからといって椅子に座っている年寄りなどいなかったのだ。

 

しかも老化であるはずのヒザ痛が、いつの間にか若い人にも増えている。

 

小学生の患者までいるのだから、ヒザ痛の原因が老化ではないことは明らかだ。

 

ヒザ痛も背骨のズレが原因であることは本にも書いた通りである。

 

 

 また昭和の教育を受けた人なら、うさぎ跳びという足腰を鍛錬する運動法を覚えているだろう。

 

当時は体育の授業で、みなうさぎ跳びをやらされたものだった。

 

ところが昭和50年代になると、うさぎ跳びはヒザを痛めるとか、成長障害を起こすという理由で禁止されてしまった。

 

実際の統計を見ると、うさぎ跳びを禁止する前と後で、子供の成長には何の変化もなかった。

 

それが平成に入ると、子供の平均身長の伸びが止まってしまったのである。

 

 

 戦後の日本では、高度経済成長とともに栄養状態が向上し、子供たちの平均身長も伸び続けた。

 

日本人の背が低いのは栄養状態が悪いせいだから、経済の発展とともに日本人の身長もいずれ欧米人に追いつくと思われていた。

 

それなのに、これだけ栄養状態が改善しても、子供たちの平均身長の伸びは止まってしまったのである。

 

平成の間にGDPが下がったことで栄養状態が悪化したのかもしれないが、これが日本人の遺伝子の限界点だとする声も聞かれる。

 

しかし私は、子供の成長にも背骨のズレが影響しているのではないかと考えている。

 

 

 人間の骨というのは成長軟骨の部分だけで成長する。

 

ところが背骨がズレることで成長軟骨に負荷がかかると、骨の成長が阻害される。

 

その背骨のズレを解消してやると、途端に子供の身長が伸びることがある。

 

したがって、日本で子供の平均身長の伸びが止まったのは、それだけ背骨のズレた子供が増えたからだと考えられるのだ。

 

 

 うさぎ跳びだけでなく、他にも昭和を振り返ると驚くことがある。

 

当時は「バテるから」という理由で、運動中は一切、水を飲むことが禁止されていた。

 

例え炎天下のマラソン大会だろうと、「水を飲むな」という命令は徹底されていたのである。

 

今なら熱中症でバタバタ倒れて死人まで出るだろう。

 

しかし当時は熱中症のことを日射病と呼んでいたが、それで倒れる人などまずいなかったのだ。

 

 

 ではなぜ熱中症が増えたのか。

 

その理由を地球温暖化に結びつけるのは、あまりにも短絡的だ。

 

実は熱中症が増えたのも、背骨がズレている人が増えたからなのである。

 

背骨のズレは血流を悪化させるのと同時に、交感神経の働きを阻害する。

 

すると汗腺の体温調節機能が正常に働かないため、体内に熱がこもって熱中症になりやすいのだ。

 

 

 それだけではない。

 

背骨のズレは頭痛や腰痛を始めとして、体中のいたるところに痛みを引き起こす。

 

昭和の時代には、これらは単なる持病の神経痛にすぎないという認識だったので、ほとんど疾患として捉えられていなかった。

 

しかし現代では、そういった体性痛を抱える人が驚くほど増えている。

 

その多くが原因不明であるため、ことごとく精神的ストレスが原因のうつ病だと診断されるようになった。

 

その結果、患者の受け皿として、昭和のころには存在しなかった心療内科が登場した。

 

そして心療内科が増えるにつれ、ますますうつ病の患者も増えていったのだ。

 

 

 昭和のころでも躁うつ病の患者は一定数いたが、うつ病となると今ほど一般的ではなかった。

 

うつ病と診断される人がこうも増え続けているのは、本物のうつ病患者のなかに、背骨のズレによる体性痛が主訴の患者が、大勢混じっているからなのである。

 

 

 さらに近年、急速に増加し低年齢化しているのが帯状疱疹だ。

 

帯状疱疹といえば、それこそ昭和のころは完全に年寄りの病気の代名詞だった。

 

そこでその発症も、老化による免疫低下のせいだと考えられていたのだ。

 

また、一度かかれば二度はかからない病気でもあった。

 

ところが今では、老化など無縁のはずの10代でも発症するばかりか、何度も再発を繰り返すようになっている。

 

 

 昔は帯状疱疹だけでなく、がんも免疫の低下で発症するといわれていた。

 

そのため免疫力さえ上げれば、がんも治ると思われていたのである。

 

ところが肝心の「なぜ免疫力が下がったのか」については、何も言及されてこなかった。

 

せいぜいが、お決まりのストレス原因説でお茶を濁す程度である。

 

 

 戦後、がん患者が増え始め、昭和56年には脳卒中を抜いて、がんは日本人の死因のトップに躍り出た。

 

「すでにがんは治る病気になった」といわれる現在でも、がん患者の総数は増え続けている。

 

特に肺がんなどは、昭和4年ごろの統計には全く存在しなかったのに、平成5年には胃がんを抜いて、がんによる死亡者のトップになった。

 

 

 肺がんが増えた理由には諸説あるが、一番のやり玉に上げられたのがタバコである。

 

タバコは肺がんの疑いようのない原因であり、他のすべてのがんにまで影響しているという。

 

それまでは診察室でタバコを吸う医師さえいたのに、タバコは生活のあらゆる場所から追放された。

 

 

 ところが日本人の喫煙率が大幅に減少した今でも、肺がん患者は減っていない。

 

あえて疑わしきを罰し犯人を一掃したはずなのに、犯罪も被害者も減ることはなかったのだ。

 

結果として、タバコが主犯だったとする説には疑問が残ることになる。

 

私が、帯状疱疹もがんも背骨のズレによる影響が大きいと考えるのは、どちらも背骨のズレによって刺激された神経の支配領域で発症しているからなのだ。

 

 

 このように、この半世紀に増加した疾患の発症には、どれも背骨のズレが大きく関与している。

 

この背骨のズレこそ、この期間に急増した現象なのである。

 

これまでにも、現代人の体の異変に気づいた多くの人たちが、さまざまな角度から警鐘を鳴らしてきた。

 

しかしこの異変の裏には、背骨のズレという具体的な異常が存在することにまで、たどりついた人はいなかった。

 

そのため、人体の何が異常なのかもわからないまま、ただ危機感をあおるだけの漠然とした話に終始している。

 

 

 それではなぜ、背骨のズレがこれほど増えたのか。

 

たかだか半世紀で、何が私たちの体をここまで変化させたのか。

 

すでにその答えがわかっている人もいるだろう。

 

要するに、私たちの体が変化したのは、私たち人類を取り巻く生活環境が、とてつもなく変化してしまったからなのだ。

 

そこで次回からは、人体に異変を引き起こしている原因を、環境問題として具体的に探っていこうと思っている。 

(花山 水清) 

(花山水清メールマガジン 「月刊ハナヤマ通信」) 

  

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