花山 水清
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モルフォセラピーが、いずれ腰痛治療のスタンダードになる理由

メールマガジン月刊ハナヤマ通信 376号 2018/02

 2018年1月現在の医学では、腰痛の80~85%は精神的(心理的)ストレスが原因だと考えられている。

 

しかし前回の当誌では、「精神的ストレスは腰痛の原因ではない」と説明した。


そこで今回は、残りの15~20%の腰痛についても考えてみようと思う。
 

 

 その15~20%の腰痛に対して病院でつけられる病名のうち、最も一般的なものは腰椎椎間板ヘルニアと脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)である。


腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板に亀裂が入って中の髄核が飛び出し、それが神経に当たることで腰痛になるといわれる。


また脊柱菅狭窄症では、脊柱管に骨棘ができて、その骨棘が神経を圧迫することで腰に痛みが出ると考えられている。


これらは、検査画像と症状との間に因果関係があるから、それを手術で切除することは治療として妥当だと判断されているのだ。

 

 

 ところが結果はどうだろう。

 

実際には、手術で原因を取り去っても痛みが消えなかったり、手術で痛みが消えても、また同じ痛みが出たりする。


これはまるでミステリーではないか。


例えば指にトゲが刺さったら、トゲを抜けばその場で痛みが消える。


トゲを抜いても痛みに変化がなかったり、後から痛みがぶり返したりすることなどありえない。


しかし腰痛の手術となると、このありえないことが起きているのだ。


このなぞについては、前著『からだの異常はなぜ左に現れるのか』のなかでも解いてみせた。

 


 なかでも特に私が疑問を感じるのは、痛みが消えなかった症例ではなく、手術で痛みが消えてしまったほうの症例である。


多くの医師は、痛みが消えたのは手術をしたからだと信じ切っている。

 

患者もそう信じ込まされる。


そして手術で痛みが消えなかった場合には、「時間が経てばそのうちよくなる」と説明され、再発した場合には「気のせいだ」となる。


あくまでも、手術の実施は妥当だったと主張するのだ。

 


 しかし私は、手術患者の腰痛が消えたのは、手術前後や手術中に使用した、鎮痛剤や麻酔薬の効果ではないかと疑っている。


実際、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されても、手術せずに鎮痛薬を使い続けているだけで、腰痛が消えることがある。

 

医師たちもそれを期待して投薬しているはずだ。


すると手術を受けた患者にも、同じことが起きたと考えられる。

 

また、薬を使わなくても、時間が経てば自然に腰痛が消えることも珍しくはない。

 

ヘルニアなどは、いずれ異物として免疫細胞に捕食され、体内に取り込まれてしまう。


そう考えていくと、本当に腰痛に手術が必要なのかは疑わしいのだ。

 


 では純粋に、手術の有効性を知りたければ、どうしたらよいか。

 

腰痛患者を、手術を実施するグループ(A)と、手術なしで鎮痛剤・麻酔薬投与するだけのグループ(B)に分けて、その治癒率の違いを疫学的に調査すればよいのだ。


だが調査の結果、AB両群に違いがなければ、過去におこなわれた手術はすべて無意味だったことがわかってしまう。


それは医学史に残るほどの汚点となるから、この手の調査が実施される見込みは薄い。

 


 それならなぜ、私には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が、腰痛の原因ではないとわかるのか。


それは、ヘルニアや狭窄症と診断された人の
腰椎のズレを戻したら、腰痛が消えた例を数多く確認してきたからだ。


ヘルニアだろうと狭窄だろうと、背骨がズレて痛みを出している点については、他の腰痛患者と全く同じだった。

 

また手術しても消えなかった痛みや、手術後に再発した痛みであっても、そこに違いはなかった。


背骨のズレを戻したからといって、ヘルニアや骨棘が消えるわけではないから、それらが腰痛の原因ではなかったことがわかるのだ。

 

 
 そもそもヘルニアや狭窄が、腰痛の原因だというのも、思い込みにすぎない。


症状もないのに検査を受けるような人はいないから、ヘルニアや狭窄の存在は、腰痛で受診して検査を受けて初めてわかることだ。


しかしヘルニアや狭窄そのものは、腰痛のない人にも見られる現象であることは、医学的にも認められた事実である。

 

特に骨棘などは加齢による現象であるから、年をとればだれでも狭窄になっているのだ。


そんな単なる老化現象をさして、腰痛の原因だと決めつけるのにはムリがある。

 


 さて、こうやって一つ一つ見ていくと、結局これまで、腰痛の原因だとされてきた精神的ストレスもヘルニアも狭窄も、ことごとく見当違いだったことがわかる。


つまり腰痛の原因は、ほとんどが腰椎のズレなのだ。


この考えに異論がある人は、手術を受けてしまうかもしれないが、外科手術にはリスクが伴うことは知っておく必要がある。

 

 一方、私が開発したモルフォセラピーは、体を傷つける心配のない、極めて安全な療法だ。


服の上から、指先と手のひらで、背骨のズレをやさしく戻してやるだけのかんたんな技術だから、ちょっと習えば小学生でもすぐできる。


協会の指導者の話では、ある程度技術をマスターした人なら、腰痛に対する矯正の効果は7~8割にもなるという。


本来どんな治療法でも、その3割はプラセボ効果である。


野球なら3割打てば強打者といわれるから、打率が7~8割もあると考えていただければ、この数字のすごさが実感していただけるだろうか。


医療関係者はもとより一般の人も、そんなはずはないと思うかもしれない。

 

だが、モルフォセラピーの最大のポイントは、再現性があることだ。


再現性というのは科学の基本だから、
理論に基づいておこなえば、だれでも同じ結果が出せるのである。

 


 もちろんその場で7~8割の人が効果を実感できたとしても、残りの2~3割に効果が見られなかったのも事実だろう。


とはいえ7~8割の効果というのは、矯正したその場での感想だ。

 

効果がなかったと感じた2~3割の人も、翌日以降に効果が現れたり、何回か矯正した後で効果が現れる場合もある。

こういった実績を見れば、モルフォセラピーはもっと多くの人に提供されるべきだと思う。

 


 そう考える人のなかには、プロとしてでなく、身近な人たちのために実践を続ける人もいる。


数年前にモルフォセラピーを習った40代女性のMさんもその一人だ。

彼女は、勤め先の会社の社長や同僚、お得意様などの背骨のズレを、無料で矯正してあげている。


その影響は、下手なコンサルタントに頼るよりも、会社経営にとってもプラスだろう。


昨年のクラス会に出席した際にも、腰痛で苦しんでいる人を見かねたMさんは、その場でサッと矯正して治してあげた。


その効果を初めて見た人には、奇跡に見えたことだろう。


そこから急遽、クラス会が「モルフォセラピー講座」になったそうだ。


だが今年は仕事が立て込んでいるので、Mさんはクラス会に参加できそうにない。


それを聞いたクラスメイトは、「え~なんで出ないの、腰が痛いのに~」とガッカリしていたという。

 

 また彼女は、人間だけでなくペットの犬にもモルフォセラピーを実践している。


脊椎動物である以上、犬にも背骨のズレによる腰痛があるらしい。

 

それなら人間と同じ効果が見られておかしくはない。

 

人間と違って、動物にはプラセボ効果は見込めないから、治ったか治っていないかは、体の反応からしかわからない。


しかし今まで歩きにくそうにしていた犬が、矯正後は普通に歩くようになったのだからそれで十分だろう。


それを知って、積極的にモルフォセラピーを取り入れようとしている獣医さんもいるぐらいだ。

 


 このモルフォセラピーの習得には、大したお金も時間もかからないし、道具もいらない。

 

家族でおこなえば、スキンシップによってお互いの信頼関係も深まる。


さらに、一度習得してしまえば一生涯使える技術なのだから、こんな結構な話はないだろう。

 

だれに不満があろうか。

 

 ところが一部の腰痛治療を生業としている人たちには、少々都合が悪いらしい。


自分たちプロでも治せない腰痛を、ズブの素人にいとも簡単に治されては困るのだ。


そういう人たちから、モルフォセラピーは批判を受けることがある。


なかでもユニークなご意見は、「ハナヤマ理論は医学常識と違う」という批判であった。

 

医学常識に疑問をもったからこそ、独自の理論を構築してきた私にとっては、冗談のようだが、要するに医者でもないのに医療に口出しするなといいたいらしい。


しかし、人数からいえば泡沫にすぎないわれわれを、敢えて攻撃対象にするのは、それだけ関心が強いということだろう。

 

だからこれも応援の一種だと受け止めている。

 

 
 だが、確信をもってここに断言しておく。

 

モルフォセラピーの手技は、いずれ腰痛治療のスタンダードになる日が来る。


だから今批判に躍起になっている人たちにも、早いところモルフォセラピーを習いに来てもらいたい。

 

そして単なる治療家ではなく、世界の家庭に普及するために指導者の道を選んでほしい。


それが目の前の患者さんのためにもなるのだから、妙なプライドは捨てるべきだ。


だからこそ、モルフォセラピーの門戸はいつでもだれに対しても、開放されているのである。

(花山 水清)

(花山水清メールマガジン 「月刊ハナヤマ通信」2018年2月号)

 

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