花山 水清
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美しさと健康をトレードしたシンデレラのブラジャーとガラスの靴

 メールマガジン月刊ハナヤマ通信 366号 2017/04

 

 先日、近くのショッピングセンターに行ってきた。

歩き疲れてベンチに座ったら、ベンチの前にあるモニターでディズニーの『シンデレラ』を上映していた。

ディズニーの『シンデレラ』は有名だが、実際に見るのは初めてだったので、しばらく眺めていた。

おとぎ話というのは、なぜか子どもには聞かせられないような内容のものが多い。

『シンデレラ』も、白人の美女がその美しさだけで王子様に選ばれて結婚するという、典型的な優生思想で構成されている。

こんな展開で「メデタシメデタシ」などという価値観を、幼児期に植え付けられてしまったら、その子の将来が心配だ。


 それはさておき、私が気になったのはシンデレラの健康のことである。

シンデレラはウエストを極端にしぼって、胸を強調したドレスを着て、しかもガラスのハイヒールを履いている。

 

その姿は女性美の象徴のようで、他を圧倒していた。

だがその見た目の美しさとは引き換えに、彼女には厳しい現実が待っているのだ。


 
 ある皮膚科医から聞いた話では、近年、ブラジャーのバンドが当たる背中の部分にメラノーマ(悪性黒色腫)が増えているという。

メラノーマといえば、発見されたときにはほぼ転移しているというぐらい、悪性度の高い皮膚がんである。

本来なら日本人のような有色人種には少なく白人に多いがんだ。

 

特に紫外線量の多いオーストラリアに住む白人が、発症しやすいことでも知られていた。

 

しかしそれも、UVカット商品などのおかげで徐々に減っているらしい。

 

 一方、アメリカでは逆にメラノーマが増えている。

 

増えた理由は、検査による発見数が増えたからであって、発症数そのものが増えているわけではないようだ。

それではなぜ、日本女性にはメラノーマが増えているのだろうか。


しかも最も紫外線の当たらないはずの、下着に隠れた部分に発症しているのはどうしてだろう。

ブラジャーで、慢性的にこすられた刺激が原因ではないかと説明する医師もいたが、摩擦が原因ならば、鼠蹊部のほうが色素沈着するほど下着でこすられている。

 

電動歯ブラシの普及で歯肉がんが増えたという話も聞かない。

 

だから摩擦が原因だという説明では納得できないのだ。

 


 一昔前までなら、ホクロががん化してメラノーマになると考えられていた。

現在はこの説も否定されているが、ブラジャーのバンドの当たる部分に大きなホクロができている女性は多い。

 

本人は気づいていなくても、これはかなりの確率なのだ。

 

そういうホクロは、背骨のズレによって刺激された神経支配の領域にできていることが多い。

実はこれは、背骨のズレによる発がんと同じメカニズムなのである。

それなら背中のメラノーマも、胸椎のズレによって発症しているのではないか。

ブラジャーを着けていると、バンドの部分では胸椎のズレ幅が大きくなる。

 

そのことがメラノーマの発症をさらに助長しているのである。


 前に乳がんとブラジャーの関係について当誌で取り上げたときは、女性読者からの反響が大きかった。

 

やはりブラジャーを着けることには、何かしら不安を感じている女性が多いのだろう。

ブラジャーというのは、乳房をホールドして外観を整えるための下着であるが、体幹をしめつける作用が極めて強い。

そのせいで胸椎が大きくズレるだけでなく、体幹部の血流が阻害されたり、呼吸が小さくなったりといったデメリットも多い。

 

 ところがある調査によると、日本女性の3分の1は24時間ブラジャーを着けたままだそうだ。

以前、ブラジャーの着用時間が長いと、乳がんの発症率が上がるのではないかという調査もあった。

 

他にもブラジャーと乳がんの関係については、さまざまな医学的研究がされてきたが、決定的な結論には至っていない。

 

そのため、ブラジャーが危険視されることはない。

しかしブラジャーの着用が、胸椎のズレを増幅させているのだから、ブラジャーの着用は十分に乳がんの危険因子になり得る。

しかもメラノーマや乳がんだけでなく、女性の肺がんの発症も同じメカニズムだと考えられるのだ。

 

 以前から、肺がんが喫煙によって発症することは確定した事実だといわれてきた。

 

ところがタバコを全く吸っていない女性の肺がんが増えている。

その矛盾を解消するため、女性の肺がんは副流煙による受動喫煙が原因だとする説まで浮上した。

そうして、WHOの主導で嫌煙権運動が世界中に広がっていった経緯は、ご存じの方も多いだろう。

その結果、めでたく男性の喫煙率は大幅に下がったが、なぜか女性の肺がんは一向に減らなかった。

女性の直接喫煙率がそれほど上がっているわけでもない。

 

それなのに、相変わらず肺がんの原因はタバコだということになっている。

 

 そもそも受動喫煙が肺がんの原因だという説には、大した科学的根拠はなかったそうだから、直接喫煙が肺がんの主たる原因なのかどうかも疑わしい。

そこで私は、女性の肺がんもメラノーマや乳がん同様、胸椎のズレが重大な危険因子だと考えるようになった。

 

そしてその発症を助長しているのが、きついブラジャーの着用だと思うのだ。

 

◆乳ガンの発症には、胸椎だけでなく腰椎、骨盤のズレも関係

 

 

 

 さて、ここからは話が少し複雑になるが、乳がんの発症には、胸椎だけでなく腰椎や骨盤のズレが関係している点も説明しておきたい。

まず、乳がんの発症にはエストロゲンが腫瘍促進物質として関わっている。

 

エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンである。

 

このエストロゲンの分泌を抑えると、乳がんの発症率が急落することも、疫学上は証明されているから、エストロゲンの関与は疑いようがない。

また、現代の女性は昔の世代よりも初潮が早く、妊娠回数も減ったため、月経期間が極端に長くなっている。

 

その分、エストロゲンの分泌期間が長くなり、乳がんのリスクが上がっているといわれる。

それなら妊娠期間の末期は、エストロゲンの分泌量が最大になるのだから、妊娠回数の多かった世代のほうが乳がんのリスクが高くなるはずではないか。

この矛盾に対して、妊娠期間中のエストロゲンはその後の乳がんのリスクを下げる働きがあるという説もあるようだ。

要するに、エストロゲンの作用の仕組みはまだ完全には解明されていないのである。

 

 だが私は、エストロゲンについてはその分泌期間の長短よりも、背骨のズレによって生じる分泌異常のほうが重大だと考えている。

たとえば現代の日本では、多くの女性が月経の異常や月経痛に苦しんでいる。

 

それらの症状は、腰椎や骨盤のズレが原因であることが多い。

特に骨盤のズレによって卵巣がひねられると、エストロゲンの分泌異常が引き起こされて月経が異常になるようだ。

そしてエストロゲンが過剰に分泌されれば、それは腫瘍促進物質として乳がんの発症に寄与してしまうのである。



 さらに腰椎や骨盤のズレは、子宮がんや卵巣がんの発症にも関わっている。


その腰椎や骨盤のズレを助長しているのが、ハイヒールなどの窮屈な靴なのだ。

ほとんどの女性の足が外反母趾になっていることから見ても、見た目の美しさのために、爪先をしめつける形の靴を履いている女性が多いことがわかる。

ハイヒールを履けば重心が変わって、歩き方は不自然になる。

 

床面からの衝撃もダイレクトに全身に伝わりやすくなるから、腰椎や骨盤のズレ幅を大きくしてしまうのだ。

 

 現代女性は家庭から社会へ開放され、昔に比べて自由になったといわれる。


ところが実際には、単なるファッションですら社会から求められる基準に合わせて生きている。

 

そのために健康を損なう女性も多い。

もともと女性は女性であるがゆえに、女性特有のがんのリスクを負っている。

 

だから、これ以上のリスクを増幅させることは避けたい。

『シンデレラ』のように、美しさだけが評価される大昔のおとぎ話など、真に受けてはいけない。

 

そもそも、王子様と結婚できさえすれば幸せになれるなどという発想が切ない。

これからの時代は、見かけではなく人間性そのものが幸せに結びつくような、そんな生き方を見つけてほしいと思うのだ。

(花山水清) 

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