花山 水清
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健康寿命を縮めるのは、背骨のズレによる歩行機能の低下

メールマガジン月刊ハナヤマ通信 351号 2016/01 

 

 電車のドアが開くと、みんなが空いている席を目掛けて駆け込んでいく。その波に乗り遅れると、わずかにシルバーシートだけが残される。


以前なら座ることもなかった。

 

だが近頃は、まわりを見渡して自分よりも年長者がいないようなら、遠慮なく座ることにしている。

 

私も今年で還暦である。

 

それなりの容貌だから、シルバーシートに座ったからといって若いときのように非難の視線を浴びることもなくなった。

 

おかげで楽ができるというわけだ。

 

 

 ところがなかには、明らかに高齢者然とした人が、空いているシルバーシートを避けて一般席に座ることがある。

 

「自分はまだそんな年ではない」とでも思っておられるのか。


以前、ある若い女性が高齢者と思しき男性に席を譲ったら、
大声で怒鳴られた挙げ句に、「このデブ!」とまでいわれたといって泣いていたことがある。

 

 また、ある60代の男性は、年の初めに電車で若い女性から席を譲られたのがショックで、春を過ぎてもまだ立ち直れないでいた。


「自分はまだまだ若い」などと思っている時点で、すでに老化しているともいえるが、見た目と本人の意識がそぐわないと悲劇がおきることもあるのだ。

 

 一昔前なら、50過ぎたら、おじいさん、おばあさんと呼ばれてもおかしくなかった。

 

あの「サザエさん」の父親の磯野波平さんだって、まだ54歳の設定だ。


ところが日本人の平均寿命が伸びた今では、80代ですら年寄り扱いするのがはばかられることも多い。

 

90代で一人暮らしを続けている人も珍しくはない。


こうなったらもう年齢では分けようがない。

 

高齢者かどうかを判断するには、健康寿命、つまり他人の手を借りずに自分一人で生活できるかどうかで分けるのが適切だろう。

 


 手元の資料では、日本人の平均寿命と健康寿命の差は、平成22年の時点で、男性9.13歳、女性12.68歳となっている。

 

この平均寿命と健康寿命の差が、介護を受ける年数を意味する。


そこで厚生労働省では、この差をいかに縮めるかが課題になっているのだ。

 


 もちろんだれもが健康寿命が尽きるのと寿命が一致すること、すなわち元気なうちにポックリ死ぬことを望んでいるはずだ。

 

しかしそのような例はまれである。


ではどうすれば健康寿命を伸ばすことができるのか。

 

残念ながら健康寿命が世界一の日本であっても、そんな方法が確立しているわけではない。

 

多くの人がイメージするのは、まめに病院で検査を繰り返すことぐらいだろう。

 


 実は健康寿命が損なわれる大きなポイントといえば、歩行機能の低下である。


歩けなくなると、食事も排泄も入浴も一人で行うのが難しくなる。

 

しかも歩行機能の低下は、認知機能まで低下させるという。


そのため介護保険の認定調査でも、自力で立ち上がれるか、一人で歩けるかといった歩行機能のレベルが一番の判断基準となっているのだ。

 

 高齢者の歩行機能低下の原因といえば、脳卒中や、転倒による大腿骨骨折などが知られている。

 

だが実際には、腰やひざが痛くて歩けなくなる例が多いようなのだ。


一般の感覚では、高齢者の腰痛やひざ痛といえば加齢によるもので、老化なのだから治らないのが当たり前だとも考えられている。


しかし私が見てきた高齢者の腰痛やひざ痛は、
腰椎や骨盤がズレているだけで、若い人と原因に違いがあるわけではなかった。

高齢者だろうと、ズレさえ戻せば症状は消えてしまうから、
かんたんなことである。

 

 

 ところがかんたんなことでも、ズレを戻さずにそのまま症状が続くと、高齢者の場合は瞬く間に健康寿命が尽きてしまう。

 

もちろん、ヒアルロン酸やコンドロイチンや、登場しては消えていく健康食品の類をいくら摂ってみても全くムダだ。

 

せっかく解消法としてモルフォセラピーがあるのに、なかなか背骨のズレによる症状という認識が一般化しないのは私にはもどかしい。

 

 だが勘違いしないでいただきたいのは、人間にとって老化そのものは不可逆的な現象だという点である。

 

人間の細胞は1秒たりとも若返ることはない。

 

背骨のズレを矯正して歩行機能が改善しても、老化をわずかに先送りにしているにすぎないのだ。

 

いかに時間の流れに逆らってみても、やがて訪れる「死」は避けられるものではない。

 

 

 しかしわれわれは、ただ長く生きればいいわけではないはずだ。

 

何のために長生きしたいのか。

 

今ある時間を使って、いかに意味のある人生にするか。

 

日々の健康を望むのと同時に、生きる意味をも問い続けるべきだと思うのだ。

(花山水清)

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