メールマガジン月刊ハナヤマ通信 338号 2014/12
あなたは体が左右非対称になっていることに疑問をもったことはないだろうか。
・どうして私の左目は小さくなってるの?
・左のウエストだけが寸胴なのはなぜ?
・どうも髪の手触りが左右で違うみたいだ
このように、自分の体の状態が左右対称でないことに、違和感をもっている人は案外多いようだ。
この違和感は、履いている靴のサイズや色が、左右で揃っていないときに感じる、あの気持ち悪さにも似ている。
生物学や心理学などでも、体の非対称性についてはさまざまな研究のテーマとされてきた。
だがかつてそれらの研究者のなかで、左右の違いに規則性が存在することを発見した者はいない。
元来、体というのは非対称なものだから、そこに規則性が存在するなどとは思ってもみないのだろう。
確かに、どの研究者に話してみても、この現象(「アシンメトリ現象」)が意味する重大性を理解してくれる人はいなかった。
またこの現象は、がんを始めとするさまざまな疾患に、深くかかわっていることもわかってきた。
そのため、この現象の原因の究明と解消法の確立が、私に課せられた使命のようなものとなっていった。
それは急務でもあったので、以来、私の時間の多くを費やさざるを得なかったのである。
ところが知れば知るほど、この現象は一筋縄ではいかないシロモノへと成長していった。
そして謎が一つ一つ解けるに従って、その意味する重大性はますます増していった。
それなのに現在に至るまで、これほど重要な事実が一般には知られないままなのだ。
そこで「アシンメトリ現象」の発見の経緯と、疑問点の解消や影響の範囲などを、この本にまとめてみた。
書き上げた当初は倍以上のページ数であったが、制約もあって200ページ程に要約された。
本書にはかなりセンセーショナルな内容も含まれているが、ここまで書く必要があることの意図が、読者に伝わってくれることを心から願っている。
(花山水清)
『医者ではわからない からだの異常はなぜ左に現れるのか』廣済堂出版